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20120610 砂漠プロジェクトについてお知らせ

いい建築ほど数多くの困難に遭遇するものだとすればこの現場ほど良い現場はありません。


建築家の職能がリーダーからファシリテーターへと変遷している状況は特に先進国のプロジェクトでは多く見られる状況ですが中国でも現場をまともに進めようと思うと建築家の立ち位置も限りなく後者へと近づいて行きます。


ただ中国の組織は習慣的にトップダウンが染み付いてるのである場面ではリーダーとしてプロジェクトを導きある場面ではファシリテーターとして全体をいい方向へ誘導していくという二面性が重要になって来ます。特に重要なことを決める会議で社長などが揃う会議では前者として振る舞い、技術者が揃う専門的な会議では後者の立ち位置を取る場合が多いです。


現場が進むにつれ、関係する業者や利害関係を持つ人が増えてくると物事を決めるのもどんどん難しくなっていきます。同様に一度決めた物事を変更するのに膨大なエネルギーを必要とします。昔の建築家像といえば現場の鶴の一声で全てがひっくり返っちゃったみたいな事もよく聞きましたが、今では一つ物事を変更する前に現場で根回しをしたり事前にクライアントに承認を得たりと一言を発するのにも心労が絶えません。それがたとえクライアント側の都合であったとしても大きな変更となると膨大なエネルギーが必要です。クライアントは基本的に建築に対して素人の人がほとんどなので一度変更が決定されてしまうと建築家はクライアントの利益を守りながらもその変更が現場でつつがなく実行されるようにまた方々へ根回しや交渉へと奔走します。


しかし砂漠の現場は6月から2ヶ月ほどストップしてしまう事態になってしまいました。この間に方案の修正、設計の変更、図面の整理などに尽力する予定です。


各関係者の皆様におかれましてはさらなる長期戦へと突入してしまいました事お詫び申し上げますとともに何卒理解とご協力をお願い申し上げます。