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20110615-17 第二回左官壁ワークショップ

第二回左官壁ワークショップ

京都の建築家でもあり左官職人でもある京都の森田一弥先生をお招きしての第二回ワークショップ。砂漠の砂を内装の壁に施すためのワークショップで昨年の第一回目では砂とつなぎ材の可能性を模索。今回は現地の内装施工会社と交流しながら職人の技術レベルや施工方法を確認しながら最終的なカタチを模索した。

森田先生が言う「マイノリティ・インターナショナル」の示すとおり、現地の左官職人とのコテを通した交流は技術の普遍的で根源的な一面を垣間見せ、砂漠という特異な場所で今後どの様に応用できるか非常に楽しみである。

現在中国で乱立する高層ビルでも内部は乾式ではなくレンガやブロックを積んで雑壁を仕上げることが多く、積み上げたレンガにたっぷりと石膏や白セメントを塗りつけコテで綺麗に仕上げる「抹灰工」という職域がある。装飾的ではないもののまっすぐ平らに仕上げる能力とスピードは日本のそれとも引けを取らない。

とはいえ仕上げ環境の違いからか、森田先生はコテを巧妙に使い薄く薄く仕上げていくのに対して現地の職人はたっぷりと厚くまんべんなく塗りつけた後にコテでそぎ落としていく傾向が。森田先生が「僕たちは材料を落とさないように塗るように教わった」というのに対し彼らはボタボタと落としながらもどんどん塗りつけていく。

今回のワークショップでは現地の施工レベルや施工条件などは確認できたが、配合に関しては一部課題が出た。特にクライアントが指摘する撥水性の問題は大きな課題である。一般的な部分では大きな問題ではないが一部水掛かりに近い部分では何らかの対策が必要。今後も引き続き森田先生のご協力のもと現場とも協力してスタディを続けていきます。